【慣れれば簡単】オールドレンズを使ったマクロ撮影のやり方とコツについて

オールドレンズ

こんにちは、motoです。

この記事では、オールドレンズに分類されるマクロレンズで、マクロ撮影をやるコツを紹介します。

 

写真を撮るとき、撮影対象が小さいものの場合は、いまいち撮りたい写真が撮れず、

もっと拡大して写真を撮りたい...と思うことありますよね。

そんな時にやりたいのがマクロ撮影。

マクロ撮影とは「マクロレンズを用いて、対象物を拡大して写真を撮る手法のこと」です。

 

この記事にたどりついたのは、マクロ撮影をやってみたい、もしくはうまくできない状況にあると思います。

今回の記事を読めばマクロ撮影のコツがわかるよう記事を書きます。

 

マクロレンズはその名の通り、マクロ撮影に特化したレンズです。

マクロ撮影以外では正直使いにくいため、マクロ撮影をしたい方のみが購入するレンズと言えるでしょう。

もしまだマクロレンズを持っていなければ、オールドレンズに分類されるマクロレンズを購入することも選択肢の一つです。

オールドレンズとは「フィルムカメラ時代などに販売されていた比較的古いレンズのこと」

その理由は、

「マクロレンズで写真を撮るとき、AF(オートフォーカス)には期待できないから」です。

マクロ撮影をする場合は、被写界深度(ピントの合う面)が非常に狭いため、

AFでピンポイントでピントを合わせるのが困難なんです。

なので、AF対応の高価な現行レンズを買ったとしても、

「AFでは自分の撮りたい写真が撮れない…」

ということになり、挫折するか結局MFで写真を撮るかになります。

 

MFで結局撮るのであれば、MFが前提となるオールドレンズも、購入の候補になるということ

オールドレンズは現行レンズよりも価格が安いので、コスト面のメリットのみ享受できるということになります!

要するに比較的コストをかけずにマクロ撮影ができますよってことです。

 

オールドレンズ(古いレンズ)というと、「きれいに写真が撮れるか不安な方」もいらっしゃるかと思いますが、

オールドレンズのマクロレンズでも十分なほどきれいな写真が撮れますので、安心してください。

 

「でも、MFはやっぱりできる自信がない…」

そんなときは、オールドレンズを使ったMF撮影については下記の記事を参考にしてみて下さい。

MFとは言え、意外とやってみると簡単なんです。

MFに挑戦したほうがカメラの基本がわかってくるので、ぜひ挑戦してみてほしいです。

私は普段からオールドレンズをメインで写真を撮っており、オールドレンズでマクロ撮影も行っています。

この記事ではオールドレンズのマクロレンズを用いた写真の撮影方法とコツを解説します。

準備編:マクロ撮影に必要なもの

必要なものは下記の通りです。太字のものは必須で、それ以外はあったほうが便利なものです。

  • マクロレンズ
  • マウントアダプター
  • カメラ(ミラーレスor一眼レフ)
  • 三脚
  • ライト

マウントアダプターについて

オールドレンズを使う場合は、マウントアダプターが必要になるということだけ注意が必要です。

オールドレンズと、カメラのマウントをつなぐためのものがマウントアダプターです。

要は、Sonyのカメラを使っている人が、Cannonのレンズをそのまま付けられないのと似たような感じです。

カメラとオールドレンズをつなぐためのアイテムだと思ってください。

使っているカメラのマウント、購入(使用)するオールドレンズのマウントがわかっていれば、

必要なマウントアダプターはわかりますので、大丈夫です。

例えば、使用するカメラとレンズから、購入するマウントアダプターを調べるとします。

私は、AF MICRO NIKKOR 55mm f2.8(nikon Fマウント)のレンズとニコンのZ5(nikon Zマウント)を使って写真を撮影します。

この場合は、Fマウント(レンズ側)Zマウント(カメラ側)のマウントアダプターを購入すればokです。

あまりここでお金もかけたくはないのですが、Urthというメーカーのマウントアダプターがシンプルで好きなので、私はこちらを使っています。

他のメーカーよりもちょこっと高いですけど、見栄えに少しこだわりたい場合におすすめです。

ちなみに、もっと安いマウントアダプターもありますが、

精度が低いメーカーのものを買うと、無限遠(遠方)でピントが合わないなどの不具合があるようで注意が必要です。

少なくともshotenとUrthは大丈夫でした。もし合わない場合はメーカーに問い合わせで交換してもらえるかも。

三脚について 暗い場所での撮影や、ブレを防ぐには必要

三脚は必須です。

なぜなら、「マクロ撮影はブレとの戦い」だからです。

というのも、小さな被写体(もしくは、被写体の一部)を拡大して撮影するとき、

必然と、被写体に近づいて撮影するため、かなりピントの合う範囲が狭くなっています

これは単焦点レンズで背景をぼかすポイントの一つに、被写体に近づくことがあるのと同じ理由です。

 

それでは、「どうやってピントを被写体全体にあわせるか?」の答えは

F値(絞り)を大きくすること」です。

F値は絞りで、レンズを透過する光の物理的な量を調整する機構です。

F値を大きくする=透過する光の量を絞り、光量が減ります。

なぜ、絞りで光を減らすとピントの合う範囲が増えるかは、日常生活の具体例で覚えるのがよいです。

目が悪い人が、目を細めて必死に対象物にピントを合わせていること、ありますよね。

日常生活で体感していることもあるんじゃないでしょうか?

こういうように、日常生活と紐づけておくと覚えなくとも思い出せるのでおすすめです。

 

話は戻ります。

「絞りを大きくする=ピントの合う範囲が広がりますが、レンズを透過する光の量が減る」

つまりピントを合わせるために絞りを大きくすると必ず暗くなってしまいます

F値を上げるとどうなるかのイメージ図。F値を上げると物理的にレンズを通る光の量が減ることがわかる。

暗くなると、当然手ぶれが発生します。

対策としては3つあります。

  1. ISO(光の感度)をあげる
  2. (被写界深度を削って)F値を下げる
  3. 撮影用ライトを使う

ライトはどっちかっていうと三脚と併用することが多いです。

体感的にはISOをあげても、F値をなるべく下げても、ブレを完全に無くすことはできないです。

手でブレずに撮るのは至難の業です。本当に。

三脚を使えば、手ブレリスクがほぼなくなるのに加え、シャッタースピードをかなり長く撮れるので、安心して絞りを大きく(ピント範囲を広げる)することができます。

 

三脚はかなり安いものから、高価なものがあります。

わたしも最初は「最初はこんな高価な三脚が必要なのか?」と疑うこともありましたけど、

高価なカメラを付けているとき、倒れてカメラやレンズへの傷や破損を防ぐには

ちゃんとしたメーカーのものを買ったほうが良いです。

おすすめはVelbonManfrottoです。

下記のVelbon製ミニ三脚を持っていますが、小型で持ち運びも容易な反面、俯瞰撮影等には難しいサイズです。

テーブルフォトのような形(高さ~60cmまでの撮影)で使う方にはこれが使いやすいです。

一方でManfrottoの一般的な三脚も持っていますが、低いところで写真を撮るときに調整しにくい感じです。

テーブルフォト等に限定しない場合は、汎用性の高い普通の三脚を買えばよいです。

私は基本家で植物を撮るくらいなので、最近はミニ三脚の使用頻度が高いですね。

 

ちなみに、撮影時のシャッターボタンを押すときに、ブレが発生することもありますが、

この場合はカメラのセルフタイマー機能などを使えばokです。

私もまだレリーズは持ってません。(そろそろほしい)

実践編 写真を撮ってみる。

今回はあくまでも私のやり方になります。

この説明である程度は撮れるようになるはずですので、

基本がわかった後は各々でやり方を最適化していってくださいね。

今回使用したものリスト

  • ミラーレス nikon Z5 (Zマウント)
  • AF MICRO NIKKOR 55mm f2.8(nikon Fマウント)
  • マウントアダプター(Nikon Fマウント→Nikon Zマウント)
  • 撮影対象物:エアプランツ(家で育てているイオナンタとそれに着生するアルゼンチナ)

先ほど上でご紹介したVelbonのミニ三脚を用いて撮影します。

まず、このミニ三脚のMAX高さは60cmです。

思ったよりも低いですが、今回の撮影では大いに活躍しました。

ミニ三脚を最大まで伸ばした状態の写真。※生活感あふれるところは無視してください。笑

このように小さなテーブルの上で撮影するなら問題なく、むしろ使いやすいですが、

高さがある場所での撮影はむりです。上方向から撮影する場合も、若干工夫が必要になります。

1.撮影に使う機材を取り付け、ある程度撮る角度を決める

カメラの底に、ねじ込みの穴がありますよね。

ここと、三脚のねじを合わせて、ねじを回して三脚に取り付けます。

このようにして取り付ける方式は、個人的には取り付けが楽で好きなんですよね。

取り付けましたら、下図の赤丸のねじを緩めて、カメラで撮影する角度をきめ、固定します。

この時、赤丸のねじを緩めた瞬間にカメラが動くことでレンズ等に傷をつけてしまう可能性あるので、必ずカメラ本体を手で押さえることを徹底してください。

また、角度は撮りたい角度を自分で決めてください。私はとりあえずこんな感じにしました。

2.撮っていく前のカメラ設定

で、続いてカメラで写真を撮っていくのですが、まずは絞り(F値)を最低の値にします。

なぜそうするかは、下記のとおりです。

  • ピントの位置がわかりやすくなる
  • 光の量が稼げるので、暗所に強いカメラじゃなくてもok

撮影時、うちは暗かったのでISOは800に設定しました。(十分明るければ200とか400でもok)

で、この場合にカメラを付けるとこんな感じ。

ぜんぜんピントあってませんねw

3.ピントと撮る画角を調整する。

先ほどのところで、カメラに対象物は入っていましたが、ピントが全然あっていませんね。

ここで、ピントリング(下の図の赤丸)を回して、ピントと画角を調整していきます。

基本はレンズの先が伸びていくような感じですので、対象物とぶつからないように気を付けてください。

また、ピントリングを回すと、映る範囲が変わることがわかると思います。

ですので、ピントを完全に合わせるというよりは「自分が撮りたいものが取れる画角」に調整してください。

今回は、植物の全体が入るように調整しました。

ここで、

え?ピント全然あってねぇじゃねぇか!と思った方、いったん落ち着いてください。

通常のレンズとは違い、マクロレンズは、ピントリングを回すと画角が変わってしまうのです。

ですので、

このままピントを合わせても、植物の一部しか画面に映らない状態になってしまう」のです。

 

画角を調整することもピントリングの役割だということを理解していただけたとして、

次にどうやって撮りたい画角かつ、ピントが合った状態で写真を撮る方法を説明します。

先ほどの状態では、画角はある程度狙えているのに対し、ピントが合っていません

ピントリングを回すと、画角が変わる。ではどうするか。

それは、

三脚ごと、前後に位置をずらしてピントを合わせる、です。

これについては、あなたが配置した三脚の位置と、対象物の位置関係に影響するので、

ピントが合う方向に、三脚をずらしてみてください。

私の場合は後ろにずらすと、ピントが合う方向でした。

ただ、カメラの角度が固定されてますので、画面から植物もはみ出してしまう場合がほとんどです。

この場合は、再度三脚で固定しているカメラの向きの調整と、

ピントリングを使って撮りたい画角を追い込んでください。

これで、写真を撮る準備ができました!

意外と簡単でしたよね?

4.セルフタイマーでブレ抑制

上で設定したようにピントと画角が調整できたら、あとは撮るだけです。

ただし撮る場所が暗い場合は、十分な光量を拾うためシャッタースピードを下げる必要があります。

私はだいたいPモードやAモードでシャッタースピードが自動で調整されるのですが、暗いと普通に1秒とかのシャッタースピードになります。

三脚で固定されているとはいえ、シャッターボタンを押す際に、ブレてしまうことも多々あります

その対策として、レリーズ(シャッターを優先または無線でつないだ機器で切るもの)という便利アイテムがあるのですが、私は持っていません。

 

そこで、レリーズなしでブレを抑制する方法がセルフタイマーの利用です。

Nikon Z5の場合は、iボタンから、レリーズモード→セルフタイマー(2s)を使って対策しています。

押した瞬間に撮れないデメリットはありますが、2sであればわりとストレスなく写真を撮れます。

もっと写真をたくさん撮るようになればレリーズの購入を検討しましょう。

5.画面を見て適切なF値にして撮影する。

ここまでくれば、基本はブレなくいい感じの画角で写真を撮れるはず

ただ、最初にF値を最小の値にしているため、かなりピントが合う範囲が狭くなっているかと思います。

F値の関係性について、調べないとわからない方は、下記のことを思い出すと簡単ですね。

※上でも書きましたが、復習としてもう一度書いておきますね。

まぶたの閉じ具合をイメージして、F値の大小でピントの合う範囲がどうなるかを覚えておく!

これ、結構個人的にわかりやすいと思ってまして、

目を閉じかけた状態だと、ぼやけていたものが少しくっきりと映るときありますよね。

まぁ要は光を絞ったほうがピントの合う位置が広いってこと。ただし、光の量は減る。

なので、絞りすぎてもだめみたいです。(絞りすぎると回折現象という物理現象で解像度が落ちるらしいので、最大まで絞る必要はない。)

せっかくなので、全てのF値で撮影してみました!笑

結構わかりやすくピントの合う範囲が変わっていますね。

ほぼ体感ではありますけど、F8かF11で植物の全体にピントが合っているように見えますね。

また、それ以上のF値になると、机までもピントが合い始めているのもわかると思います。

こんな感じで、ピントの合わせたい範囲によってF値を変えてみてください。

4.さらに近づいて撮影してみる。

さて、先ほどは植物全体が映る画角で写真を撮りました。

このレンズは、等倍撮影(CMOSセンサーのサイズと同じサイズのもの)までできますので、

最大まで近づいて撮影してみました。

最大まで近づいて映す場合は、画角が最小になるところまでピントリングを回し切ります。

先ほどの手法で、三脚ごと、前後に動かして、ピントの合うところに調整します。

同じように、絞りを変えて撮ってみました。

近づいた場合、先ほどよりも明らかにピントが合う範囲が狭いのがわかります。(左上 絞り最小値)

まあここまでで撮り方は終了です!

ちなみに、今回の対象物のエアプランツはイオナンタと、アルゼンチナです。

熱帯植物栽培家の杉山拓巳さんの動画を参考に育てており、

子株(エアプランツは親株の脇から同性質の株が出てくる)は親株の間に挿しておくと育ちがいいとヒントをもらったので、挿しておいたところ、根っこがイオナンタに絡みついてしまったという状況です。笑

エアプランツは土が不要の着生植物なので、このように根っこを出し、木や電線などに着生して成長する植物です。

細い根っこが、着生した側のアルゼンチナだと思われますが、

着生された側の根本からアルゼンチナの根っこが出ているのはなぜなのか笑

このまま育てていいのか?とよくわからないですが、お互い元気そうなので、そのまま育てています。

エアプランツは楽しい植物なので、興味ある方は下記記事を読んでみてくださると幸いです。

最後に

オールドレンズのマクロレンズを用いた撮影法とコツを解説しました。

今回の記事を読んで、「オールドレンズも選択肢としてアリなのか!」と思った方は、下記の記事も参考にしていただければと思います。

また、今回撮影に使用したマクロレンズは等倍撮影まででしたが、

等倍撮影を超える撮影(5倍とか)ができるレンズもあるようです。

もう顕微鏡にちかいですねw

エアプランツはめちゃくちゃ小さな花が咲くので、そのうち購入してしまうのではないかと思っていますので、

購入したら記事にしたいと思います。

  

追記お盆の休みに暇を持て余し、つい購入してしまいました。笑

写真はうちのソファの拡大です。若干硬さがある素材なのですが、、、

写真を見ると明らかですねwゴワゴワ感が写真から伝わってきます。

等倍のマクロレンズで撮影
Venus Laowa 25mm f/2.8 2.5-5X

もう完全に顕微鏡ですw まだ完全に使いこなせていないため、後日記事にしようと思います!

興味があればまた覗いていただければ嬉しいです。

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